シン・ゴジラ
16/08/05 T・ジョイ博多にて19:10の回を。(その後、16/08/11に18:40の回で2回目を見ている)
どこかのブログで劇場版パトレイバー2との類似を指摘している記事があって、見てみようかなと思った。
その見方はあっているが、ゴジラでは例えば日本がアメリカの属国だと言っていてもなぜそうなのかということには言及がない。
劇パト2は、2度の大戦、戦後の日本史、代理戦争などの話から、歴史観、平和論、世界観を見て取ることができる。
監督はまだ、日本近代史に対して、誰かに語るだけの一定の歴史観を確立することができていないのかもしれない。
以下、ネタバレを含む
ゴジラが福島原発の比喩だとかそういう話はすでに尽くされている。
エヴァのBGMがそのまま使われていたのが1つ、アレンジが1つあった。わかっている範囲で。
そもそもエヴァが特撮のパロディであるのだが、それを差し引いてもエヴァのパロディではないかと思える脚本が多い。
例えば「福音」という単語がセリフに出てくるが、これはエヴァを見た人へのファンサービスなのかなとも思う。そう思えるポイントが多い。最後の作戦もヤシマ作戦に似せているようだし。
今にして思えば、ゼーレは安保理の暗喩だったのかな。そのときは国際政治、国際関係など全くわからなかったから。
そうそう、途中からプロジェクトXを見ているような気分になった。矢口プランは”プロジェクト”というほかないものだった。誰かが超人的な能力を発揮するでもなく、強大な決戦兵器が出来上がるわけでもない。
そこから考えたのは、プロマネ型主人公という人物造形とその物語形式だ。矢口はいつも「頼む」「託します」という物言いをする。これは司令官でも兵士でもない。
誰かがヒーローになるということがない。それぞれが少しずつ覚悟を決める。実際に死人も出る。でもそれでも捨て身で作戦にあたる人がいる。
矢口プランは日本の総力を結集したもので、日本vsゴジラ、の副題がここに対応づけられる。