ネコゴゼ
共産主義下の日本というと佐藤亜紀の戦争の法を知っている
まあでも関係なかった
- 作者: 宇河弘樹
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2015/03/16
- メディア: コミック
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自己批判、総括などの用語が出てくる。
この辺りは共産主義への狂信を象徴的に表現している。
密告や粛清など、思想としてでなく政治体制としての共産主義の来し方を知っていると世界設定には一定の必然性があると思える。
ロシア正教が政府のカウンター勢力の一翼を担っているあたりはどうなんだろう。
共産主義とロシア正教との関係はよく知らない。
宗教は抑圧されていたと習った気がするがどうだったろうか。
さて本編、
鶯と夜梅の関係は……自分はやはりこういうのに弱い気がする。
家族のような関係性へ収斂するというか。
ああ、レオンと似ているな。
鶯は復讐のためにのみ生きると述懐する。
夜梅は何も言わない。
いつか、二人の馴れ初めが語られるとき、鶯は未来へ目を向けることができているか。
また、夜梅は剣の才に縛られてもいる。
自身が心から望むものを見つけ、気づき、それに向かうことができるのか。
夜梅が鶯を抱き取って湯船につかるシーンやらはサービス・シーンなのだけど、鶯が煮炊きした飯を二人で食べたりする様子もあって、ごく自然に寝食を共にするというのは二人がそのような生活を長く続けていることを思わせる。
「世の中の理不尽は
身にしみてわかってる」
ここにある人物はみな誇りと覚悟を持って生きている
現代劇などではない、リアルから遠く隔たったファンタジーの中でこそ、それを表現することができる。