朝霧の巫女 第7巻
- 作者: 宇河弘樹
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2011/01/31
- メディア: コミック
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7ページ目の楠木正季が美しすぎる。
桜井の駅のシーンも美しいです。
このあたりは史実を踏まえ、さらに古事記のエピソードを重ねているのもさすがです。
桜井の駅のシーンではP66がすごく良いです。
正季の2つの表情、そして次のページでは泣き顔になっている。
ここでは、ただ名を呼ばれるだけでこの上ない拒絶を受けることになる。名を替える呪も、設定の整合性のみならず、このシーンを描くための伏線として用意されたのかもしれませんね。
それほどに強いものを感じました。
この巻の前半(湊川編?)は全体に音読したくなるような古文調の流麗な台詞です。
その合間の現代語の台詞で好きなのを引用します。
だが俺はこの河内とわが妹一人
守れればそれでよい真に必要なものは自然
手に収まる大きさなのだP49
これは臣下の一人に語られたものですが、妹も聞いていました。
その後、領地を守るためでなく忠義のために死地に赴き、さらには当の妹と刺し違えて自決することになるのですから、哀切もここに極まるというものです。
楠木正成の最期を良く知らないままこれを読みました。知っていて読んだ人はまた感じ方が違ったのかもしれないと考えると興味深いものがあります。
私はWikipediaで湊川の戦いなどを調べて、もう一度読みました。