岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 作者: 岩崎夏海
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
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著者のブログはここ。
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20091204/1259897352
この記事がもとになったらしい。
http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20080711/1215741244
ドラッカーはもともと興味があって1冊だけ読んだことがある。
設定がとても魅力的。
表紙がアレだったので、これは買わんといかんと思った。見え見えのマーケティングだけど……。著者略歴を見ると、AKB48のプロデュースに関わっているということなので、ストレートなマーケティングでもあるかも知れない。
はじめのうちは、ドラッカーを初めて読む人にわかりやすいことを目指している本なのだろうと思っていた。実際に、マネジメントを説明しやすいキャラ配置にしてあると思った。
でもそれだけではなかった。
ドラッカーを説明するために小説”仕立て”にしているんだと、油断していたら、うっかり泣かされてしまった。
それなりのクライマックスを用意して、大団円にするんだろうと思っていたら、違うんだもの。
小説としての部分はさらっと読んでしまったけど、振り返ってみるときちんと作ってあるな、と。主人公の動機にあるねじれのようなものは、程度は違ってもままあることだと思う。それでいて、感動的でもある。そして、それはクライマックスで重要な要素となる。
最終章では主人公がマネージャーとして、真摯であろうとして、為した言動を悔い、悩むシーンがある。これに対する答えは作中では明示されていない。
この部分は「経営の本」では書けなかった問いを投げかけることに成功しているし、著者もまた、主人公と同じ悩みを、同じ想いを今でも抱き続けているのではないかと思う。
小説として出した意義はここが大きいのかな……。
読み終わって最初の挿絵を見直したら、また泣ける。
これ、あり得ないんだよね。みなみが願ったけど叶わなかった瞬間。
マーケティング的確すぎだコノヤロー