漁港の肉子ちゃん

 肉子ちゃんの描写が長い、キクりんと周囲の関係性の描写も長い、ように感じた。
 これらの描写が佳境の展開につながるので必要なのであるが、なぜそう感じるのか。


肉子ちゃんとキクりんの関係性が理想的な関係だということが、これが関係性の本質なのだということが自分の中ですでに了解されていて、それ自体を描写されても、新しい視点や価値観と感じられないのである。


 それと読み手の状態にも左右される。
 いま仕事で、仕事の中で必要なマネジメントに疲れていて、キクりんの葛藤に共感できるような精神状態ではなかった。
 別のタイミングで読めたら、きっと感動していただろうとも思うし、あるいはそういう疲弊や消耗を積み重ねていくこともまた大人になっていくということの一部なのかもしれない。