東京都漫画規制条例 善意のはけ口を求める人々

 いつも政治の話題は諦めでもって嘆息しながら、それゆえに冷静に見聞きするのだけれど、この件については憤りを感じる。


 許し難いのは、規制することによって「子どものために何事かを為した」と考えていることだ。


 規制によってどんな効用があるかということについて論理的な根拠がない。子どものためになるという根拠がない。
 それなのに子どものためにという名目で規制を進める。自己満足以外の何ものでもない。


 児童福祉についてならば、児童虐待の予防やアフターケアなど、他に重要な優先すべき施策がある。
 推進派の人たちは政治運動などやめて、例えば児童相談所の補助となるボランティアを行うようなことをすれば良い。その方が余程子どものためになる。
 あるいは政治運動にしても、児童相談所の人員を増やすよう要請したり、性教育の充実を訴えたりすれば良い。


 善意のはけ口を求めるという心理は恐怖すべきものである。