世界の終わりと夜明け前

世界の終わりと夜明け前 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

世界の終わりと夜明け前 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

 良い意味でも悪い意味でも普通。普通というのは社会的というのに近いか。

 社会的にこうするべきというのが底にあって、それをまっとうできない、逃げてしまったりとか、そういう葛藤。こういうのは、社会的か反社会的かという軸であって「社会的である」ということがすでに定義されているなかでの語りとなる。
 社会的である、ということに価値を(反価値をも)見いださない人は、社会的であることがどういうことかという基準を持つ必要がない。その場合は、この語りの最も根本の文脈というか、作者と読者の共通の了解にずれがでてくる。

 なんというか私はゆっくりとそういうふうに変質したのだなと思った。(セカイ系と呼ばれるけど)社会というものを捨象して物語世界を作ってある作品群はこういう人にもウケルのではないかしら。