今そこにある

 原因を考えないというのは現実に対処していく上で最も実践的な手法のひとつだ。結果についての責任は追求するが、その意志に至る原因は考えない。
 自分が責任に問われない場合や今後同様の事案に関わる必要がない場合、この方策は有効である。そして、私たちが遭遇する現実はほとんどがこのようなケースとなる。
 しかし、そうやっていれば事案の再発は防げないし、進展というものがないだろう。今そこにある現実といつかどこかにある未来、それをつなぐことができるのは進化という希望、なのだろうか。

*親戚の叔父らが神戸の少年事件の加害者について話したのを聞いた。彼らはその人が近くに住んでいるらしいという噂を信じていて、再犯の可能性があるから不安だと言っていた。