ヒストリエ
4巻まで読んだ。
やはりサテュラとの悲恋がひとつのハイライトである。
奴隷制や村落を成立させる原理などドライな世の中との対比も良い。
この作品は(あるいは彼の作品は)ドラマを絵で見せるということをしない。
絵というのはつまり、表情でドラマを語ることをしない。
漫画表現はだんだんと絵柄が精緻になって来ているように思うし、絵が上手で表情を描くのが上手で、台詞よりも表情で表現し、それが魅力となる作品もあるだろう。
ならば、小説のような漫画なのかというとそれも違う。
この構図を書くためのこの筋立てだったのかというコマもある。
また、仕草や所作、動作を示して心情を描写している部分も多い。
これは、シーケンシャルな情報の流れである小説にはできないことだ。