考えるようなことは何もない

 仕事でチームを組んでいる社員なのだが、タスクの名前を○○の考察としていた人がいた。
 「考察」という言葉を簡単に使っていることに違和感があった。考えるというほどの高度な仕事がウチにあるか?



 普通の会社では考えるというような仕事はない。
 あるのは研究者やクリエイターや高級官僚くらいのもの。


 調べればわかることで悩んでいるのは考えるとは言わない。
 仕事でなくても生活の中でも同じ。
 調べたり聞いたりすればわかることだったり、結論が出ているのに目をそらしたりしているだけで、本当の意味で考えるということをしている人はほとんどいない。


 仕事のほとんどは調査、報告(成果物作成)、ものづくりなら設計、製造、試験、およびそれらについての報告も加わる。
 これらは一定の方法論に従ってなされるもので、本質的な意味で考えるという行為は含まない。


 あるいは、考えているつもりでも単に迷っているだけ。
 それは情報が足りなかったり、判断の基準があいまいだから決まらない。
 情報に不足があればさらに調査する。基準があいまいなら、はっきりするように目的・理由・要求を調査して明確化する。


 考えるようなことは何もない。