とある飛空士への追憶

 原作既読。http://d.hatena.ne.jp/sawami/20110929#p1


 原作では、二人の関係性がだんだんと深まっていくプロセスが楽しかったのだけれど、映画では尺が決まっているためか、いくつかのエピソードが削られているせいか、説明が足りていないように感じた。
 ただ、原作を知らなければ、納得できる展開だったかも……。


 ラスト、別れの挨拶に代えて、シャルルがファナに曲芸飛行を見せるシーンだけでも、映像化した価値はある。


 あえて指摘すると、航空機、科学考証については疑問点がいくつか。

 発電のために水素電池へ水素を貯める、といった意味の台詞があるので、航空機の発動機はモーターということになるはずだが、内燃機関とおぼしき連続爆発音が効果音となっている。
 また、オーバーブーストなる一時的な出力上昇、アフターバーナーに相当するらしき機能があるが、この時、発動機の排気口らしき部分が白熱する。
 ジェットエンジンなのか、ディーゼルエンジンなのか、モーターなのか、よくわからない。


 一方で、震電をモデルとしたプッシャ型プロペラ機は二重反転プロペラとなっているなど、妙に凝った設定を採用している部分もあり、ややちぐはぐな印象もあった。