ヨルムンガンド

ヨルムンガンド 1 (サンデーGXコミックス)

　ガンアクションに分類するしかないのだけれど、ストーリーの軸は武器商人・ココの「ネゴ」である。交渉、駆け引き、決断における彼女の才覚、機知、あるいは世界観が物語のベースとなっている。

　彼女を護るお抱えの兵隊たち数人の中に新たに加わった少年兵のヨナ。彼が戦う理由にも関わってくるイノセンスと眉ひとつ動かさずにサブマシンガンを撃つ冷徹さが小さな体に混在する。その混沌はココが率いるチームの二律背反、また、ココ自身の持つアンビバレントとも重なる。

　これまでは、ココ親衛隊のメンバーにスポットをあてていくエピソードが多かったが、これからはココのお話も読みたい。ヨナを雇い入れた意味とは、彼女が武器商人を始めた理由、目的、到達点はどこにあるのか？　巻数は5を数えたが、ココ自身の物語は未だ語られていない。