おまえが若者を語るな!

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)

おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)

 宮台真司をはじめ、私が好きな論者も批判的に検討されていて、自分は非科学的論説を受け入れてしまっていることに気付く良い機会を得られた。

 一方で、必ずしも科学的根拠がなければ評論を発表すべきではない、という風潮になってしまったのでは少し窮屈だ。書くほうも読むほうも非科学的で主観的な感性のレベルで話をしていて、それで十分だというケースも多々あると思う。それを評論と呼ぶべきではないだろうけど。
 
 後藤が問題視しているのは、それら印象論による若者論が、政策決定やその他議論において前提となることであって、読み手と書き手の関係については何も書いてない。
 科学的根拠が必須となるケースで、それが省みられないことへの危機感や憤りは深く同意できる。