学校問題による自殺と不登校

 20歳未満の自殺の動機のうち最も多いのは学校問題であり、全体の四分の一ほどを占める。県内でも学校問題が動機とみられる自殺が相次いだ。個々の事件について詳しいことはわからないが、共通する条件として推測されるのは「本人が本人の不登校を許さない」ということである。
 通常、学校へ行くことが本人にとって重大なダメージになるならば、緊急避難的な方法として不登校という選択もあり得るはずである。しかし、そうすることができない子どもたちが確かにいる。彼らは何らかの原因で、学校へ行くことが自身の生命より優先すると強迫的に思いこんでしまっている。このような、不登校を自分自身が許さないという状態が、事件の前提となる必須の条件である。
 だからといって「学校には行っても行かなくても良い」とは子どもには言いにくい。不登校者に対する社会的支援はまちまちであり、不登校が現実に大きなハンディキャップをもたらす可能性は高い。そのような状況でどちらでも良いと言うのは無責任である。さしあたっては「学校へ行けなくても生きていて良い」ということを確実に子どもに伝えていくしかない。