「マクロス ゼロ」を見た。全6話で約3時間。

 文化人類学を援用した謎の解明と派手で綿密な戦闘シーンが交互に進み、やがて、謎の解明は戦争の終わり、あるいは人類文明の終わりと同義であることが明らかになってゆく。良質で、見て損はない作品だった。

 特筆すべきはミリタリー関連の描写にひどく拘っていること。
 「気化爆弾の投下を要請しろ」という台詞があって、その投下・爆発シーンがあるのだけれど、その爆弾の説明台詞が全くない。他にも「リアクティブアーマーか」「ジャムった」などの台詞があるが、やはりその説明がない。でもこれは台詞を聞き取って検索できるのでまだいい。
 というのは、台詞もなくただ画像でのみで描写されるものがあるのだ。戦闘機が増槽を落とすシーンがあるが、”増槽”という単語が台詞にでてこないので知らない人が見ると、「この機体から離れた物体は何なのか?」となってしまい、調べようがない。下手をするとこの増槽を落とすということを描写しているのに気づかないかも知れない。他にもヘリが弾雨の中を離陸する際にフレアを射出するシーンがあったが、ここでも台詞なしである。
 何かもう「マクロス見るならこれくらい知ってて当然」のような挑戦的な作りとでも言いましょうか。そして俺はこういうニヤリとさせる細工が大好きなのです、ハイ。