「悪徳の栄え」 マルキ・ド・サド(澁澤龍彦 訳)

 主人公が修道院の寄宿舎で13歳になったあたりから物語は始まりますが、プロローグもそこそこに数ページ目にして尼僧院長との百合展開。その後は結婚しても百合、フランスを追われても百合、帰ってきても百合。男はおまけです。
 ヘテロがノーマルだからホモということなのかもしれませんが、それにしても並々ならぬ執着ぶりでしょう。あと、妹がいるなら、せっかくだから百合姉妹エピソードもあったらよかったんじゃなかろうか……。

 訳は澁澤龍彦ですが、辞書があっても読めない単語があって困りました。千鳥? 裁尾? なにそれ。